消費を減らさないこと

食品安全委員会は、牛海綿状脳症(BSE)の全頭検査の緩和を容認することを答申しました。
つまり、20ヶ月以内の牛はBSE検査をしなくてもよいという結論を出したわけです。
これにより、秋以降アメリカ産牛肉の輸入が再開されることとなります。

月齢判断だけでいいのでしょうか。疑問に思います。
アメリカでは、昨年の12月以降BSEの発生がありません。

しかし、カナダとアメリカでは、肉牛の生産飼育システムが共通なのですから、昨年よりBSEが4頭見つかっているカナダに対し、頭数で7倍以上多いアメリカではもっと多くのBSEが発見されるのが自然だと思います。
また、牛由来の肉骨粉の使用についての検査も不十分で、20%前後の飼料製造業者については5年以上 再検査をしていないと報じられています。

日本では、利害関係のない県の保健所が、BSEを含め全ての牛の健康をチェックして、安全な牛肉だけが市場に流れるシステムが構築されています。
対してアメリカでは、会社内で検査をし、その肉が流通しています。
会社の利益優先のため、色々な不正が日常的に行われているとも報じられています。
また、日本で確立されているトレーサビリティーもアメリカでは確立されていません。
その為、20ヶ月齢 以下であることの証明も難しいと言われています。

このような状態での政治決着だけは避けてほしいと考えます。

ところで、消費者のみなさんは、BSEに対してどれだけ関心を持っているでしょうか?

アメリカに行けば、ハンバーガーを食べ、ニューヨークステーキを食べ・・・。
日本でも、吉野家が牛丼の1日限定販売をすれば、行列をなして食べているのが現状です。

これらの肉は20ヶ月齢以上で、BSEの検査もされていない牛肉なのです。

私個人の考えとしては、消費者が納得する方法で、1日も早くアメリカ産牛肉の全面再開を願っています。
このまま続けば、アメリカ産に頼っていた内蔵肉や三角バラ、オウカクマクなど、日本人好みな部位がなくなり、牛肉の消費がますます減ってゆき、牛肉離れが進むと思います。
焼肉店へ行っても、ロースやカルビだけを食べることはないと思います。
タンやミノやホルモンなどがあるから焼肉店へ行くと思います。

「消費を減らさないこと」

これが、生産者にとっても将来的には必要なことと思います。